short-term methotrexate (MTX)
造血幹細胞移植後には移植したドナーのリンパ球によりレシピエントの細胞が攻撃され移植片対宿主病(GVHD)が生じる。GVHDの予防のために標準的には免疫抑制剤+メソトレキサートの2剤併用が予防的に使用される。免疫抑制剤は血縁移植(related)ではシクロスポリン、非血縁移植(unrelated)ではタクロリムスが使用される。
そのほか、治療のためステロイドやサイモグロブリン、ミコフェノール酸モフェチルなども使用される場合がある。
Phase 3 study comparing methotrexate and tacrolimus with methotrexate and cyclosporine for prophylaxis of acute graft-versus-host disease after marrow transplantation from unrelated donors.
シクロスポリン(CSP)とメソトレキサート(MTX)を投与したHLA一致の非血縁ドナーからの移植後の急性の移植片対宿主病(GVHD)の発生は75%を超える。タクロリムスはマクロライド系化合物であり、非臨床試験および臨床試験においてMTXとの併用において急性GVHDの予防に有効であった。タクロリムスとMTX(n=90)の併用がシクロスポリンとMTXの併用(n=90)よりも非血縁ドナーからの骨髄移植後の急性GVHDを減少させるかどうかを確認するため1995年3月から1996年9月の間に180人の患者をランダム化オープンラベル他施設共同第3相試験を行った。すべてのグレードにおいて重篤な急性GVHDを減少させる傾向があった(p=0.005)。カプランマイヤー推定において、グレード2-4の急性GVHDの発生率はタクロリムス群(56%)であり、シクロスポリン群(74%)に比べ有意に少ない値であった(P=0.0002)。GVHDの管理のためのグルココルチコイドの使用はシクロスポリン群に比べタクロリムス群で有意に少なかった(65% vs 81%、P =. 019)。移植後100日間で透析を要した患者の数は同じ程度であった(タクロリムス9人、シクロスポリン8人)。全生存期間および無再発生存期間は、2年時点でそれぞれ54%と50%(P=0.46)、47%と42%(P=0.58)であった。非血縁ドナーからの骨髄移植においてタクロリムスとMTXの併用はシクロスポリンとMTXの併用に比べ、有意に急性GVHDのリスクを減少させた。また毒性や感染症、白血病再発の有意な増加は見られなかった。
そのほか、治療のためステロイドやサイモグロブリン、ミコフェノール酸モフェチルなども使用される場合がある。
Phase 3 study comparing methotrexate and tacrolimus with methotrexate and cyclosporine for prophylaxis of acute graft-versus-host disease after marrow transplantation from unrelated donors.
シクロスポリン(CSP)とメソトレキサート(MTX)を投与したHLA一致の非血縁ドナーからの移植後の急性の移植片対宿主病(GVHD)の発生は75%を超える。タクロリムスはマクロライド系化合物であり、非臨床試験および臨床試験においてMTXとの併用において急性GVHDの予防に有効であった。タクロリムスとMTX(n=90)の併用がシクロスポリンとMTXの併用(n=90)よりも非血縁ドナーからの骨髄移植後の急性GVHDを減少させるかどうかを確認するため1995年3月から1996年9月の間に180人の患者をランダム化オープンラベル他施設共同第3相試験を行った。すべてのグレードにおいて重篤な急性GVHDを減少させる傾向があった(p=0.005)。カプランマイヤー推定において、グレード2-4の急性GVHDの発生率はタクロリムス群(56%)であり、シクロスポリン群(74%)に比べ有意に少ない値であった(P=0.0002)。GVHDの管理のためのグルココルチコイドの使用はシクロスポリン群に比べタクロリムス群で有意に少なかった(65% vs 81%、P =. 019)。移植後100日間で透析を要した患者の数は同じ程度であった(タクロリムス9人、シクロスポリン8人)。全生存期間および無再発生存期間は、2年時点でそれぞれ54%と50%(P=0.46)、47%と42%(P=0.58)であった。非血縁ドナーからの骨髄移植においてタクロリムスとMTXの併用はシクロスポリンとMTXの併用に比べ、有意に急性GVHDのリスクを減少させた。また毒性や感染症、白血病再発の有意な増加は見られなかった。